夢の世界線の中心でくずおれた物語 ~ハルカメラ廃墟~ camerahal.exblog.jp

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by クレハル

光について


高校時代にとある授業で先生にこう質問された。

「まず最初に目を開けて、目に入ってくるものはなんですか?」

と。

そんな哲学的だか、科学的だかな質問は大好物な筈だったのに、ぼくはひとり席から立ったまま、しばらく沈黙してしまったのだ。

(どうしよう、なんて答えたらいいんだろう)正直わからなかった。

隣席の男子が、しきりに小声で「まつげ、まつげ」と囁いてくるのが聞こえた。

いっそのこと「まつげ」と答えてしまえばラクになれるのかも知れない。

でもそんなことはぼくのプライドが許さなかった。そして必死に考えて絞り出した答えが、

「光」

だった。先生がぼくのその答えを聞いて、

「そうだね」

と言ってくれたときの安堵感は今でも忘れない。あとで唯一の友人であったUに、

「なんであんな簡単な質問に悩んでたの?」

と問われた。なぜか色々と悩んでしまったのだ。以下、当時のぼくの悩み。※読み飛ばし可。

目を開けてまず。。まず見えるのは「色」なのではないか。色が見えて「形」が見えてくるのではないか。いやその逆に「形」が見えて「色」が判るのではないか。いやいや寧ろその全ては「光」によって形成されているわけだから、無難に「光」だろうか。しかし待てよ「形」というものは「光」に依存していない部分もあるのではなかろうか。光の二重性、すなわち波と粒子の性質を同時に備えているかを理解しているかを試されているのかもしれない。もっというならば量子力学的なアプローチまでを期待されているのだろうか。しかしながらそもそも医学的に目という感覚器官が「光」を受容する構造になっているのだから、「光」以外あり得ないのだろう。いや矢張りそれでは簡単すぎる、この教師は何かしらの哲学的な問答をしたくて、ぼくにそのようなことを問うているのかも知れない。となればやはり「まつげ」だろうか。いやいやそれでは単なる禅問答になってしまう。うーん、迷った。まず光あれ、とかなんとかいうフレーズもあったから、やはり光だろうか。些か宗教的ではあるが。それならば闇は見えていないことになってしまうではないか。まてよ闇も光の一部とかいう二元論に反する思想を持っていないか試されているのかも知れない。光の前に闇があったと考えれば、まず見えてくるのは「闇」だ。ゆっくりと目を開けて「闇、だな。。」とかつぶやいたらそれこそ中二病患者かと思われてしまう。さりとておちゃらけて「まつげで~す!」とか答えたらそれこそこの隣席の男子の思うつぼだ。どうしよう、わからない。ぼくの目が見えているこの光景は、一体なんなのだろう。

と、まあそんなことを考えていた、高校生だったわけですが、今でも写真を撮っていて、たまに思い出して考えることがあります。そして今の状況に置き換えて、こう自問自答する。

(カメラを構えてファインダーを覗いて、まず見えるものは何ですか?)

と。

そしてあれから二十年以上経って、ぼくの至った答えは。



「まつげ」



。。ではないと信じたい。

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by greenhal2015 | 2015-07-20 20:24 | 雑記