「ゼロ」
どんなに大切な存在でも
いつかはいなくなってしまう
そう
わかっていたはずだった
でも本当にいなくなってしまって
突然すぎて
どうしてなのかさえ わからずに
唐突に 降り出した雨を 悲しみが追いかける
いなくなってしまっても
このたくさんの記憶はなくならない
それだけが救いのようで
それだけが哀しみのようで
もう明日がない
大切な存在が静かに眠っている
たくさん撮った写真をみて
それにどんな意味があるのか
楽しい思い出のはずなのに
思い出すのがつらくて
かわいそうで
この雨が 大切な存在の涙なのかもと 言われ
それを精一杯に 否定した
皆が涙している光景を 遠くから眺めれば
その涙こそが
大切な存在が幸せだったことの証だと
確信できた
何も思い残すことはない
だから
ごめんね とは言わない
ありがとう
君がいたから みんながひとつになって
今のこの ひとつの幸せがつくれたよ
明日
本当のゼロになっても
絶対に忘れないからね